第2章 日直の相方がいないだけで難易度が跳ね上がる
数分後、ようやく国語準備室に到着した。
先生、置いておく場所は扉の前でいいって言ってたな。
言われた場所に、しっかりダンボールを下ろす。
よし、これで仕事は終わった。
いやぁ重かったなぁ。
足腰、ついでに腕が悲鳴をあげている。
私が軽く伸びをしていると、鳥束くんがはっとした表情で私を見てきた。
そこから鳥束くんの視線は、壁にかけられている時計に移る。
私も釣られて時計を見ると、あと二分で授業が始まる事が分かった。
やばい!ㅤと思ったその瞬間。
鳥束くんが、私の手を取った。
「え──」
手を繋いだまま走り出す。
「急ぐっスよ!」
「え、えっ?」
私の視界いっぱいにうつる鳥束くん。
その彼と、私は今手を繋いでいる。
その事実に今更ながら気がついて、ぶわっと頬が熱くなった。
鳥束くんはちらっと私を振り返り、
「急がないと、授業始まっちゃいますよ!」
楽しそうに私に笑いかける。
そんな鳥束くんを見ていると、自然と笑みが浮かんだ。
「うん!」