第22章 ほうきは意外に幅を取る
「…………」
「はい、言いましたよ……いやちょっと、無言でロッカーから出ようとしないでください!」
鳥束が私の手首を掴み、私の脱出を阻止する。
ぐいぐいと掴んだ手首を揺らしながら、
「でも俺、女子が話してた怪談を解決したんスよ! それなのに呼び出しって、何かこう……納得出来ないと言うか……」
と弁明している。
いや、これは有罪でしょう。
追加の説明を聞いたところで、鳥束が悪くないという考えにはならなかった私の、
「それなら嘘なんてつけなくてもいいな。寧ろ私の誤魔化しが下手なせいでバレてしまえばいい」
との呟きを聞いた鳥束が慌てる様子は、中々に面白かった。