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【斉木楠雄のΨ難】鳥束だけの短編集

第22章 ほうきは意外に幅を取る


「鳥束が隠れるのはまだ分かるけど、何で私まで」

「だって、名前さんって嘘つけないでしょう? 先生がここ来た時上手く誤魔化せなかったら駄目じゃないですか」

「嘘つけないって言ったな!?」

「いやいやそんな怒ります!? 寧ろ褒めてますよねこれ!」

鳥束の言い方が何だか馬鹿にしているように聞こえて噛み付いた私に、鳥束は混乱したような態度をとる。

ロッカーの中で騒ぐ私と鳥束。心做しかロッカーが揺れているような気がした。

「……ところで、先生から逃げてる理由って何? 私も巻き込まれてるんだから教えてよ」

私がそう言うと、さっきまで私と目を合わせていた鳥束は視線を泳がせる。

「いやー、これ言ったら、多分名前さんロッカーから出ようとするんで……」

「今すぐ大声で『鳥束はここにいる』って叫んでもいいんだけど」

「あー、言います! 言やぁいいんでしょう!?」

鳥束は吐き捨てるように、
「女子トイレの会話を俺が聞いていた件を、女子が先生に話したらしくて。多分それで探されてるんだと思います」
と言った。
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