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【斉木楠雄のΨ難】鳥束だけの短編集

第22章 ほうきは意外に幅を取る


私が聞く姿勢をとったお陰で、鳥束の説明はスムーズに進んだ。



教科書やノート類をごっそり机の中に忘れている事に、下校中に気がついた鳥束。
このまま帰ってしまおうかと思ったが、忘れた教科書類を使う教科の先生は厳しい。宿題をしなかったとなれば、きっと怒られるだろう。よりにもよって、次の授業は明日だった。

教科書もノートも手元にないのならば、宿題なんて出来る訳がない。

それならば、明日早く学校に来て宿題に取り組むか? いや、そんな事はしたくない。鳥束は渋々教室に取りに戻る事にしたらしい。


「鳥束、お前何かやったのか?」

教室でお喋りをしているクラスメイトの一人が、鳥束を見つけてそう言った。

「湊先生が探してたぜ。トイレの会話がなんちゃらって言ってて、お前を探してた」

その言葉を聞き、思い当たる出来事が一つ。

教科書をカバンに押し込み、慌てて階段を下りたところで先生と遭遇し、逃げるように階段を上がり廊下を走った結果、私のいる巛組に辿り着いたのだとか。

まぁその、何だ──つまり一言で言うと、先生から逃げている、という訳である。
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