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【斉木楠雄のΨ難】鳥束だけの短編集

第22章 ほうきは意外に幅を取る


鳥束はそのまま教室の中を進んでいき、
「名前さん、ちょっと立ってくれません!?」
とただならぬ様子で言ってくる。

「は? 立つって?」

意味は分からないが、その気迫に気圧されてしまい私は立ち上がってしまった。椅子を引く音が教室に響く。

鳥束は前進を続け、私の手首を掴んだかと思うと、
「ちょっと付き合ってください!」
私を教室にあるロッカーに押し込み、自身もロッカーに入った。

彼は若干苦戦しつつも内側からロッカーの扉を閉める事に成功する。私が脱出するために扉に触れて力を入れていると、鳥束に全力で抵抗されてしまった。

「いやほんと、マジでやめてください!」

「ロッカーに閉じ込められたら誰だってこうすると思うけど!? いいから出せぇ!」

大声を上げ今にも爆発しそうな私をちらりと見た鳥束は、
「あっその、説明、説明するんで!」
と慌てていた。
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