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【斉木楠雄のΨ難】鳥束だけの短編集

第21章 合法的に眺められると思えば、この時間も悪くは無い


よし、取りあえず教室を歩き回ってみよう。

「名前さん」

ざわめいた教室の中、名前を呼ばれた気がしてその方向を振り返る。

「あ、鳥束くん」

「俺と組みません?」

おずおずと提案してくる鳥束くん。

組む相手がまだ決まっていなかった私としては願ったり叶ったりだ。

「うん、いいよ。組もう」

「よ、良かった! 名前さんに断られたら、ほんとどうしようかと……」

ほっと胸を撫で下ろす鳥束くん。何だか大袈裟な気がする。

私がきょとんとしている事に気がついたのか、
「ああ、その……話しかけてもないのに、女子全員が俺から離れていったんスよね……」
鳥束くんは説明してくれた。

「俺、何かしましたかね?」

「……日頃の行いだと思うよ」

首を傾げる鳥束くんに、私はそうとしか言えなかった。

「あれ、友達はだめだったの?」

「男を眺めないといけないなんて嫌でしょう」

「本当に日頃の行いだと思うな」
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