第19章 さらば日常
もしやと思い、私はカバンの中にあるであろう生徒証を探した。
リュックがこのカバンにすり変わっているのならば、きっとこの中に生徒証が入っているはず。私は生徒証を登下校に使うカバンに入れておくタイプなのだ。
あった。ラミネートされた生徒証には、私の名前と顔写真と──。
「PK学園、二年巛組……苗字名前……!?」
学校名と住所、それから、パッと見では何組なのか分からないクラス表記が書かれていた。
生徒証を手に持ちながら、私はもう一度ハンガーに掛かった制服を見る。
……通りで見た事があるわけだ。
この制服、そして、学校名とクラス表記。
私は──いや、信じられないけど──斉木楠雄のΨ難の世界に、来てしまったのかもしれない。