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【斉木楠雄のΨ難】鳥束だけの短編集

第19章 さらば日常


私は、どこにでもいる普通の高校生。……の、はずだった。



昼寝から目覚め、私はのっそりとした動きで起き上がる。

近くに置いてある時計を見ると、時刻は午後三時を示していた。

一時に眠り始めたから、結構寝ちゃってたな。

眠る前『起きたら宿題をしよう』と考えていた事を思い出す。

面倒くさいけど、これが学生の本業だ。
一度も宿題を忘れた事のない私。その記録を伸ばすべく今日も頑張るとしよう。

「……あれ?」

いつも学校に使っているリュックがない。普段リュックを置いてある場所には、リュックの代わりに肩にかける通学カバンが置いてあった。

こんなカバン、使った事がない。どういう事なんだろう?

カバンのチャックを開き、中身を確認する。

カバンの中には教科書が入っていた。

一冊だけ教科書を取りだして見る。背表紙には私の字で名前が書いてあったが、この教科書に見覚えはなかった。

部屋も、よく見るとカーテンが最近新しく買ったカーテンじゃなくて今まで使っていた古いやつに変わっている。

他にも変わっているところがあるかもしれないと思いリビングへ行こうと自室の扉へ向かった時に、決定的に『違う』部分を見つけた。

「……は?」

思わず声が出てしまう。

私は扉につけたフックに制服を掛けているのだが──掛けられている制服は、私の通っている学校のものではなかった。

……というか、何か見覚えがあるんだけど。
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