第18章 あんな事を言う辺り、俺はあの人に一生勝てる気がしない
「いやぁ、出し尽くしたねぇ」
満足そうに苗字は笑う。
「一応、癖みたいな、名前さんが自覚してなさそうな事も答えられますけどどうします?」
「んー、私が自覚してないなら正解か分からないしなぁ」
苗字は視線を上に上げて考え込んでいたが、ふと鳥束と目を合わせ、
「あったよ、もう一問。私がちゃんと正解かどうか分かる問題」
頬杖をつきながら楽しそうに言う。
「へぇ、どんな問題なんスか?」
これ程までに楽しげに言うのだ。とっておきかもしれないと、鳥束は聞き逃さないよう、続く言葉に耳を傾けた。
「私の好きな人は誰でしょう」