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【斉木楠雄のΨ難】鳥束だけの短編集

第17章 作品作りに協力してくだΨ!


何の成果も得られないと分かっていながらも、私は抵抗を続ける。

ぐいぐいと鳥束くんの胸を押しながら、ふと私は上を見上げて彼の顔を見た。

瞬間、私の視界にうつるのは口をすぼめた鳥束くんの顔。

「うわあぁ!?」

その表情は、夢に出そうなくらいに恐ろしかった。

咄嗟に鳥束くんを突き飛ばす。

彼がよろめいた時に出来上がった隙間を縫い、私は何とか脱出をした。

「なっ……なんっ……!?」

何なの今の、と言おうとしたけれど、上手く喋れなかった。それ程私にとって彼の表情は衝撃的だったのかと、自分が結構動揺している事に気がつく。

さっきまでは恋愛的な意味でドキドキしていた心臓は、今は恐怖に騒いでいた。私の心臓を今すぐ休ませてあげたい……。

私は胸に手を当てて深呼吸をする。こんな事をしても意味はない気がするけれど、やった方がマシだ。
さっきの衝撃に対するダメージを、少しでも和らげたかった。
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