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【斉木楠雄のΨ難】鳥束だけの短編集

第17章 作品作りに協力してくだΨ!


「ああっクソ、駄目か……!」

鳥束くんは悔しそうにしている。

「壁ドンするまでは良かったんスけどねぇ……」

私ではない方向に向かって喋っているのは、多分話している相手が加賀美さんだからだろう。

「と……鳥束くん……?」

加賀美さんと会話する鳥束くんに、私はおずおずと話しかけた。

私を見遣った鳥束くんは、焦ったような表情になった。

「別に!? あわよくば名前さんとキス出来たら良かったのにとか思ってませんから!」

「思ってたんだね……」

鳥束くんは咄嗟に口を塞いだけれど、もう手遅れだ。

彼の下心、のようなものは褒められたものではないけれど、元はと言えば私に協力をしてくれていたわけで……。

私はため息を吐いた。

「うん、まぁ……手伝ってくれたのは事実だし。怒ってはないよ」

「名前さ〜ん!」

鳥束くんはほっとしたのか、キラキラした笑顔を向けてきた。

許しはするけど、忘れるわけじゃないからね……。

そう言いたいのをぐっと堪えて、私は自分のカバンを手に取った。



その日のうちにネームを作り四日程で完成させた私の作品は、部長や同じ部の友達から良い評価をもらった。

キャラクターが活き活きしていると褒めてもらったけれど、それを言われた時にあの出来事を思い出してしまった私は、ただただ苦笑いをするしかなかった。
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