第17章 作品作りに協力してくだΨ!
「憑依!」
鳥束くんがそう言った瞬間、彼の雰囲気が変わった。心做しか顔つきも変化している気がする。
彼は微笑む。
その表情を色っぽく感じてしまったが、そんな風に思うのは中身が違うからだと私は自分に言い聞かせた。決して鳥束くんにときめいたとかそういうのではない……。
「名前、どうして教室にいるんだ?」
今呼び捨てされた?
なんて考えている内に、鳥束くん──中身は加賀美さんだけど──は、私の元に近寄ってきた。
元々私と彼の間には机があって、その机を挟んで会話していたのだけれど、距離が縮まる。
この雰囲気の鳥束くんと至近距離で会話してはいけない気がして、私は横にずれた。
「あれ、逃げんの?」
くすりと微笑む彼は、なおも距離を詰めてくる。
「えっ、えっ?」
後ずさる私と、そんな私に近寄る鳥束くん。
教室でする事ではないような気がして混乱する。