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外見至上主義に抗いを

第10章 校外合宿


バスは出発した。
は単語帳を開いてずっと勉強していた。
四宮はその間ずっと一緒に単語帳を見ていた。

「…四宮、私と乗っても楽しくないでしょ、ごめんね。本当は蛍介くんたちの方に行きたかったんじゃない?」

四「蛍介の隣もいいけど、の隣もいい」

「本当?」

四「うん、俺も勉強になる」
四宮はの単語帳を指差した。

「ありがとう…」

四「最近勉強忙しそうだけど、大学受験するの?」

「え!?な、内緒…ど、どこでそんな話聞いたの…?」

四「放課後先生と話してるの、蛍介と偶然聞いた」
四宮は少しムッとしたあと、内緒と言われたことにショボンと肩を落とした。

「蛍介くんも!?…まぁ蛍介くんと四宮なら話してもいっか」

四宮はパァッと顔を輝かせた。

「TOEICで900点取りたいの。1月までに」

四「そんな高い点数、どうして?」

「京城大の推薦をもらいたいの」

四「京城大に行こうとしてるの?」

「うん…無理だと思うよね、この学校から京城大なんて」

四「なら無理じゃない」

「え?」

四「ならできる。にできないことなんてない」

「絶対笑われると思ってた…」

四「それを聞いて笑うような人はの周りにはいない」

「四宮…」

四「俺も目指そうかな」

「大学行きたいの?」

四「がいる大学なら」

「…本当?」

四「うん、俺は推薦じゃなくて普通に一般で考えてみようかな」

「嬉しい。ありがとう四宮」

四「うん。TOEICは俺も一緒に受けてみる」

「四宮も?」

四「うん、自分がどのくらいか知りたいし、俺も一緒に頑張りたい」

「うん、わかった、そうしよ」
は微笑んで答えた。
それはの顔から久しぶりに浮かんだ、穏やかな微笑みだった。

四「…」(ニコッ)

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