第8章 パプリカTV
蛍「そっか…」
「蛍介くんは?好きな人いないの?あ、唯とか?」
蛍「ち、違う!あ、ゆ、唯ちゃんも可愛いと思うけど、僕の好きな人は別にいる…」
「え!誰!私の知ってる人?」
蛍「う、うん…」
「うーん…誰だろう…」
蛍「僕の…」
「うんうん」
蛍「僕の好きな人は…」
遊「あー!転校生!」
「お兄ちゃん!」
家に帰ろうとした遊が話しかけてきた。
遊「よ!お前いい奴だったんだな、バスコから聞いたぞ」
遊は蛍介の肩に腕を回した。
蛍「は、はぁ…」
「ちょっと蛍介くん困ってるでしょ」
遊「なんだデートの帰りか?」
「そんなんじゃない!全く…」
遊が来たので、蛍介はその場で分かれ帰ることにした。
ー翌日ー
ガラッ
美「あっ…」
唯「おはよう!蛍介!♡」
蛍介が教室に入ると一目散に唯がやってきた。
唯「蛍介このポーチ見て可愛いでしょ♡」
唯が蛍介に見せていたポーチは、昨日美玲が可愛いと言ったら、そうでもないと唯が否定したものだった。
蛍「え?うん、可愛いね、あ、ちゃん!」
蛍介は唯に構わず、教室に入ってきたに話しかけた。
蛍「おはよう!」
「おはよう、蛍介くん」
蛍「昨日無事に帰れた?」
「帰れたよ。途中までありがとう。ごめんねお兄ちゃんが困らせちゃって」
蛍「全然大丈夫だよ。カラオケすごく楽しかった。また行こうね!」
「うん、また行こうね」
そんな2人の様子を唯は鬼の形相で見ていた。
しかしそんなことに気づくものは誰もいなかった。
そしてその夜、唯に対抗して美玲もパプリカTVを始めた。