第7章 学園祭
女子1「蛍介はライブとかでないの?」
女子2「ねぇ出なよ〜」
蛍介は女子から言われたそんな言葉を思い出していた。
今日は蛍介が掃除当番で誰もいない教室を掃除していた。
蛍(この僕があんなことを言われるなんて…ステージに僕が!!うわぁ!!想像しただけで心臓が飛び出る!!絶対無理!考えたこともなかったし!歌か…!!いつも1人で熱唱してたっけ。人前で歌うことなんて想像したことすらなかった。いつも1人だったよな。母ちゃんは仕事だったし…寝転んだら目に映るのは家の古い天井…いつも1人だったけど…たまに特に孤独を感じる日があった。1人でいるとふとギュッと胸が締め付けられて…誰かと話したいのに連絡できる人がいない。そんな時があった。そんなとき…寂しさを紛らわせるために…だ…誰もいないよね…?)
蛍介は周りをキョロキョロと確認し、歌った。
蛍「〜♪」
蛍(教室で熱唱してしまった…だ…誰にも聞かれてないよね?)
「歌もすごく上手なんだね」
蛍「え!?ちゃん!?な、なんで…」
「忘れもの取りに来たの。ごめんね、聞くつもりはなかったんだけど、あんまり上手だからつい聞き入っちゃった。学園祭とか出てみたら??」
は机の上にある筆箱をとって鞄にしまった。
蛍「そ、そんなことないよ…緊張しちゃうし…」
「歌うの好きなの?」
蛍「う、うん…たまに歌ったりするかな」
「そうなんだ、私も歌うの好きなんだ。一緒だね」(ニコッ)
蛍「ど、どんな歌…歌うの?」
蛍介は顔を赤らめ、顔を背けながら言った。
「その時によって違うよ。私は昔から家にあったギター弾きながら歌うからたまに外の誰もいないところで歌ってるの」
蛍「ギター弾けるんだ」
「少しね」
蛍「今度聞かせて欲しいな」
「聴かせるほどのものじゃないよ。でもまぁ、機会があれば」(ニコッ)
蛍「…」
蛍介はまた顔を赤くした。すると