第6章 祖母
が手を蹴られたのを見て、すぐさま食堂から連れ出したのはバスコと翔瑠であった。
ー保健室ー
「先生、いないみたいだね」
バ「あぁ、手見せろ」
は手を差し出した。
バ「腫れてる…翔瑠」
翔「ん?」
バ「腫れてる時はどうしたらいい?」
翔「お、おいっ…分かんねぇのに手貸せって言ったのかよ…」
翔瑠は冷凍庫を漁り、氷嚢を持ってきた。
「か、勝手にいいの…?」
翔「しゃーねーだろ」
翔瑠はそう言うと氷嚢をの手に当てた。
「っ…」
翔「痛むか?」
「大丈夫だよ」
は少し痛みを我慢しつつ、手を冷やしてもらった。
翔「よりによって前と同じ方か…」
翔瑠は、祖母を庇った時にできた擦り傷を、氷嚢を持っていない方の手で少し撫でた。
「うん…アハハ…」
バ「無茶するな」
「うん、ごめん…」
翔「危ないとこだったんだぞ?」
「うん…でもどうしても見てられなくてつい…」
バ「悪は俺が倒す」
翔「そうだぞ、だからそういうのは俺らに任せて、は危ないことすんな」
「うん…わかった」
バ「翔瑠」
翔「なんだ?」
バ「代わる」
翔「??…あ、あぁ、悪ぃ…」
翔瑠は氷嚢をバスコに渡した。
バスコは受け取るとの手に氷嚢を当てた。
「いてて…」
翔「あ、バスコ、打撲もしてるからもう少し優しく当ててやってくれ」
バ「わ、悪い…」
「大丈夫だよ、ありがとう」
しばらく冷やしているとだいぶ腫れもおさまったようだった。
翔「そろそろ引いたか」
「うん、ありがと、バスコ、翔瑠」
バ「あぁ」
翔「おう。湿布だけ貼っとくぞ」
翔瑠はの手に湿布を貼った。
バ「そろそろ戻ろう。始まる」
翔「そうだな」
「うん、ありがとう」
3人はそれぞれの教室に戻って行った。
バ「翔瑠」
翔「ん?」
バ「が好きなのか?」
翔「え!い、いや…」
バ「そうか、良かった」
翔(そうだなんてやっぱ言えねぇよなぁ…)
2人はこんな話を繰り広げながら。