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外見至上主義に抗いを

第6章 祖母


が手を蹴られたのを見て、すぐさま食堂から連れ出したのは四宮であった。

ー保健室ー

「先生、いないみたいだね」

四「うん、手見せて」

は手を差し出した。

四「腫れてる…」
四宮は冷凍庫を漁り、氷嚢を持ってきた。

「か、勝手にいいの…?」

四宮はコクコク頷き、そのまま氷嚢をの手に当てた。

「っ…」

四「痛い?」

「大丈夫だよ」
は少し痛みを我慢しつつ、手を冷やしてもらった。

四「…」
四宮は祖母を庇った時にできた擦り傷を氷嚢を持っていない方の手で撫でた。

「あの時と同じ方、蹴られちゃった…あはは…」

四「危ないことしないで」

誤魔化すように笑うを四宮はいつもにない少し厳しい口調で咎めた。

「ごめん…でも咄嗟に体が動いて…いじめも見てられなくてつい…」

四「はもう少し自分を大切にして」

「はい…」
はしゅんとしてしまった。

四「…別に怒ってるんじゃない。心配で言ってるんだ」

「分かってるよ…」

四「うん。それならいいんだ」

「…四宮と保健室に来るの、2回目だね」

四「うん」

「あの時蛍介くん来て聞きそびれちゃったけど、なんでそんなに四宮は私のこと気にかけてくれるの?」

四「聞きたい?」

「うん」

四「それは…」

「…」

が四宮の次の言葉を待っていると

キーンコーンカーンコーン

今度はチャイムの音が邪魔をした。

「あ…」

四「今度はチャイムか…授業始まる…」

「うん…そうだね…そろそろ戻ろっか」

はまた四宮の言葉を聞かずじまいで終わってしまった。
の手の腫れも少し引き、2人は教室へ戻った。


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