第6章 祖母
「…」
は机に突っ伏してスゥスゥと寝息をたてていた。
四「…」
四宮はに向かい合う席に座り同じように机に突っ伏すとの方に顔を向けた。
四「はっ…」
長いまつ毛、毛穴のない綺麗な肌、形の良い鼻、シワのない唇、全てが四宮の目を釘付けにした。
すると視線に気づいたのか、が目を覚ました。
「んんっ…あ…四宮…フフ…いたの??」(ニコリ)
四宮は顔を真っ赤にして固まってしまった。
「なんで赤いの?熱?」
四「ち、違う…」
「じゃあなんで…はっ…」
は気づいた。
四宮との距離が異常なほど近いことに。
あと数センチで鼻先が触れ合いそうなほど、近いことに。
は保健室での出来事を思い出し、赤面させると、バッと起き上がった。
「ご、ごめん…い、いつの間にか寝ちゃったよ…アハハ…」
四「う、うん…」
「も、戻ってきたなら声かけてくれれば良かったのに」
四「気持ちよさそうに寝てたから…」
「そ、そっか…」
2人の間に少しの沈黙が落ちた。
「そろそろ…」
帰ろうと言おうとが口を開くと、それを遮るように四宮が言った。
四「おばあさん」
「ん?」
四「おばあさん、ここの施設どうかな」
四宮はに携帯の画像を見せた。
そこは綺麗で設備も整っていて、明らかに高そうな老人ホームであった。
「綺麗なとこ…ここに預けられたら確かに安心そうだね。でもすごく高そう…」
四「そうかな。話だけ聞きに行ってみたら?意外と安く済むかも」
「そうだね…話だけなら…今週末にでも聞きに行ってみるよ。テストも終わってる頃だしね。ありがとう四宮、調べてくれて」
四「うん。そろそろ帰ろう」
「そうだね」
その日四宮は何も言わずに家の近くまで送ってくれた。