第6章 祖母
「ばあちゃんのこと、本当は施設に入れてあげたいんだけどそんな余裕ないからさ…。さっき話したことさ、私と翔瑠2人だけの秘密にしてくれないかな」
翔「当たり前だろ、誰にも言ったりしねーよ」
「ありがとう」
翔「あ…ちょっと待ってろな」
の手の傷に気づいた翔瑠はそう言うと1人でコンビニに入って行った。
「?」
翔瑠は消毒液と絆創膏、そしてイチゴ牛乳を2つ買ってきた。
翔「手」
優しくの手を取ると慣れた手つきで消毒して絆創膏を貼った。
「手慣れてるね」
翔「いつもバスコ達のやってるからな」
「翔瑠はバーンナックルのお母さんだもんね」
翔「やめてくれよ。んなのごめんだ」
はアハハと少しずつ元気を取り戻していたようだった。
翔「…ほい」
が笑ったのを見て翔瑠はフッと笑うと、イチゴ牛乳をに渡した。
「イチゴ牛乳…私好きって言ったことあったっけ?」
翔「いや?ねーけど、好きそうだなって。当たって良かった。一緒に飲もうぜ」
「さすが翔瑠だね…ありがとう」
翔「何言ってんだ。そろそろ帰れそうか?」
「うん」
翔「じゃあこれ飲み終わったら帰ろうな。送ってくよ」
「うん、分かった、ありがとう」
2人でイチゴ牛乳を飲み終えると翔瑠はいつもの場所までを送った。
翔瑠は今まで見て見ぬフリをしてきたへの自分の想いに気づき、少し複雑な気持ちになったのだった。