第6章 祖母
は泣きながら少し離れたコンビニへやってきて、外にあるベンチに座った。
「ぐすっ…ぐすっ…」
しばらくすると目の前に大きな影が現れた。
「?…ぐすっ…翔瑠…」
を必死で探したのだろう。
息を切らした翔瑠の姿があった。
翔「はぁ…はぁ……」
は俯いた。
「ぐすっ…普段はあんなこと言わないんだよ…いつもは優しいおばあちゃんで…ぐすっ…ぐすっ…最近はだんだん症状が進んじゃってるだけで…ぐすっ…ぐすっ…うぅ…」
翔(あー…ごめん、バスコ。俺もう自分の気持ち抑えきれねーわ)
ギュッ…
翔瑠はを抱きしめた。
あんなことを言われたのにも関わらず、祖母を庇う姿に胸を打たれたのだ。
いや、庇っているのではなく、もしかしたら自分にもそう言い聞かせていたのかもしれない。
「あ…」
翔「いつも全部1人で抱え込むなよ…。もっと周りを頼れよ…。遊もバスコも、俺もいるんだからさ。1人で全部背負い込もうとすんなよ」
「う…うぅ…うわぁーん!」
は翔瑠の優しさに触れ、堰を切ったように泣いた。
「つらいよ…苦しいよ…ぐすっ…ばあちゃんのこと大切だけど…ぐすっ…どうして私ばっかり…学校でも家でもこんな目にあわないといけないの…!私だってもっと友達と遊びたいし、オシャレだってしたいし、勉強だってしたいよ…」
はついに自分の本当の気持ちを翔瑠に打ち明けた。
翔「うん…そうだよな…。学校のことはさ、もう何も心配すんな。俺たちが必ず守るからさ。ばあさんのことはまたいつでも連絡くれよ。何でもするぜ?俺。料理だって、に言われたなら作りに行くよ。家に入れたくねーってんなら持ってくし。」
「翔瑠…うぅ…」
翔「おう、泣け泣け。好きなだけ泣け。今までよく頑張ったな、偉いぞ」
翔瑠は抱きしめたままの頭を優しくポンポンと撫でた。
少し経つとは落ち着きを取り戻した。
「ごめん…ありがとう、翔瑠」
翔「おう」