第6章 祖母
四宮はいちご牛乳とメロンパンをに渡した。
「イチゴ牛乳とメロンパンだ…くれるの?」
四宮は頷いた。
「ありがとう…」
そしてもう一度四宮はベンチに座ると優しく、の擦りむいている方の手を取った。
四「少ししみるかも」
そう言って消毒液をつけた。
「いっ…」
四「ごめん、痛いよね」
「ううん、大丈夫」
四「…俺も施設探してみるよ、いい感じのとこがないか」
四宮は絆創膏を貼りながら言った。
「いいよ、私のばあちゃんのことだから、そんな迷惑…」
四「もっと迷惑かけて。」
「え…」
四「もっと俺に頼って。迷惑かけて。少しでもの力になりたいんだ」
「四宮…」
手当が終わったのか、四宮はの手をポンポンと叩いた。
四「それ食べたら帰ろう、送る」
「うん、ありがとう…いただきます」
パクッ、もぐもぐ…
四「おいしい?」
「うん、おいしい…ニコッ」
いつもほど元気な微笑みではないが、はようやく笑顔を少し取り戻した。
四「良かった」
四宮は愛しさを抑えるのに必死だった。
がメロンパンを食べ終えると、家の近くまで送って行った。