• テキストサイズ

外見至上主義に抗いを

第6章 祖母


は泣きながら少し離れたコンビニへやってきて、外にあるベンチに座った。

「ぐすっ…ぐすっ…」

しばらくすると目の前に大きな影が現れた。

「?…ぐすっ…バスコ…」

を必死で探したのだろう。
息を切らしたバスコの姿があった。

バ「はぁ…はぁ……」

は俯いた。

「ぐすっ…普段はあんなこと言わないんだよ…いつもは優しいおばあちゃんで…ぐすっ…ぐすっ…最近はだんだん症状が進んじゃってるだけで…ぐすっ…ぐすっ…うぅ…」





ギュッ…





バスコはを抱きしめた
あんなことを言われたのにも関わらず、祖母を庇う姿に胸を打たれたのだ。
いや、庇っているのではなく、もしかしたら自分にもそう言い聞かせていたのかもしれない。

「あ…」

バ「辛い時はちゃんと言え。なんの助けにもならないかもしれないが、話を聞くことくらいはできる」

「う…うぅ…うわぁーん!」

はバスコの優しさに触れ、堰を切ったように泣いた。

「つらいよ…苦しいよ…ぐすっ…ばあちゃんのこと大切だけど…ぐすっ…どうして私ばっかり…学校でも家でもこんな目にあわないといけないの…!私だってもっと友達と遊びたいし、オシャレだってしたいし、勉強だってしたいよ…」

はついに自分の本当の気持ちをバスコに打ち明けた。

バ「うん…学校ではもう二度とあんな目にあわせたりはしない。約束する。絶対に俺が守ってやる。おばあさんのことは、困ったらいつでも連絡しろ。必ず駆けつける」

バスコは抱きしめたまま、優しくの頭を撫でた。

「バスコ…うぅ…」




少し経つとは落ち着きを取り戻した。

「ごめん…ありがとう、バスコ」

バ「あぁ」

「ばあちゃんのこと、本当は施設に入れてあげたいんだけどそんな余裕ないからさ…。さっき話したことさ、私とバスコ2人だけの秘密にしてくれないかな」

バ「あぁ。元々誰にも話すつもりはない。」

「ありがとう」

バ「…」
 
/ 131ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp