第5章 いじめ
「私何もしてな…」
パシッ
女子1「口答えすんなよ」
パシッ
それからが何か話すたび、女子たちが言葉を発すたび、平手打ちされた。片頬だけではない。両頬に。
「…」
女子1「分かった?こんな目にあいたくなきゃ、もう蛍介くんに近づかないでよね」
は地面に投げられたのち、ようやく解放され、女子たちは去っていった。
両頬は赤く腫れ上がり、目にも手が当たったため、目も腫れていた。
「ぐすっ…ぐすっ…なんでっ…なんでっ…」
は地面に手を付くと、涙が溢れてきてしまった。
バ「…?」
翔「ん?」
遊「なんであんなとこに手ついて…転んだのか?」
一緒に帰っていた3人は地面に手をつくを見かけた。
翔「どうした?、転んだのか…って…おい…」
翔瑠がの肩に手をかけ顔を覗き込むと驚いた。
バ「ん?…はっ…」
遊「どうした?…おい…」
2人も翔瑠と同様だった。
遊「どうした、誰にやられた、ほかに怪我はねぇのか?」
「…」
翔「ちゃんと言わねぇとわからねぇぞ?」
「…私が…私が悪いから…」
遊「どういうことだ?」
(そうだ…蛍介くんはイケメンで人気者…それなのに気安く近づいた私が悪いんだ…貧乏な私は近づいちゃいけないんだよ…)
「私が悪いから…だから…」
バ「立て」
バスコはの両肩を掴んで立たせた。
そして肩に手を置いたまま言った。
バ「例えが悪かったんだとしても、女にこんな暴力振るうヤツは悪だ。誰にやられた?」
「…言いたくない…」
バ「言え」
「やだ…ぐすっ…」
翔「バスコ…」
遊「また何かあったらいつでも言えよ?今は言いたくないって言ってるから、よしてやってくれ」
遊は優しくバスコに言った。
翔瑠ももういいと言うように首を振った。
バ「くっ…」
遊はを連れて帰ったが、帰ってもはやはり何も言わなかった。