第4章 バスコ
四宮はすぐを横抱きにすると保健室へと運んだ。
保健室の先生がいなかったため、をそっとベッドに下ろした。
四「…」
四宮は心配そうな表情でを見守った。
ー放課後ー
「ん、んん…あ、ここは」
四「!?」
先「あらやっと起きた?ここは保健室よ」
「私…」
先「倒れちゃったんですって、四宮くんがここまで運んでくれたのよ」
「そなの!?ご、ごめん!重かったよね…」
四宮はブンブンと首を横にふった。
「え、もう放課後!?」
は時計を見て驚いた。
四宮はコクコクと頷いた。
「ば、バイト…」
四宮は引き止めるように優しく手を掴んだ。
先「だめよ〜今日はお休みしなさい。あなたバイト掛け持ちしてるんでしょう?お家のこともあるんでしょうし…多分過労で体が悲鳴を上げて、倒れちゃったのよ」
「過労…で、でも…」
先「だめです。あなたが体を壊したら元も子もないのよ?今日は休みなさい。ほら、さっさと電話して」
は渋々今日の焼肉屋のバイトを電話をして休んだ。
先「あとね、四宮くんがずっとついててくれたのよ」
「え、そうなの?」
四宮は一度だけ頷いた。
「倒れてから今までずっと?」
四宮はもう一度頷いた。
先「そうよ〜、あ!先生これから会議あるからベッドだけ少し整えてってね、鍵は開けっぱなしでいいから〜」
そう言うと先生は保健室を出て行った。
2人きりになった空間で最初に言葉を発したのはだった。
「授業は…どうしたの?」
四「出なかったよ」
「どうして?」
四「心配だったから」
「授業の方が大事じゃ…」
四「授業より、の体の方が大事」
「テ、テストだって近いのに…」
四「俺たちならテストの心配はしなくて大丈夫」
「四宮くん、なんで…」
四「四宮って呼んで」
「し、四宮は他の人とは話もしないのに、なんで私にはこんなに親切にしてくれるの…?」
四「それは…