第4章 バスコ
バ「どういうことだ?」
「…」
3人はコンビニの中に入った。
翔「あ、なんだ、その…話したくないってんなら話さなくていいぞ」
「…私とお兄ちゃんは、おばあちゃんと暮らしてるんだけど、おばあちゃん去年認知症になっちゃって、その進行が結構早くて、最近徘徊とかするようになっちゃったの。それで今日ここでバイトしてたらおばあちゃんがお客さんとして来て、驚いてLIME見たら、いなくなったってメッセージ来てて、ここで待つよう言ったんだけど聞かなくて、出てっちゃって、追いかけたら、バスコの腕掴んでたの。ごめんね、急におばあさんに腕掴まれるなんて怖かったよね。ごめんなさい」
はバスコに頭を下げた。
バ「そんなんで怖いなんて思ったりしない、頭を上げろ」
翔「別にが悪いわけじゃないだろ?」
「ありがとう」
は頭を上げた。
翔「なんかばあちゃんもも言ってることについていけなかったんだけどよ、あれはなんでだ?」
「徘徊してる時は私のこともお兄ちゃんのことも全く頭にないの。コンビニからでてった時も怒って出ていったんだけど、もう私が追いかけてる途中では逃げることしか頭になくて、なんで逃げてるかとか全部忘れてるから、ただ逃げないとって思ってて、それを追いかけてくる悪い奴がいるからって脳が勝手に変換しちゃってるの。だからそれに合わせて話をすれば、結構聞いてくれるんだよね」
翔「なるほど…」
「それでコンビニに着いた頃には気持ちも落ち着いてるから私のこともお兄ちゃんのことも認識出来たんだと思う」
バ「どのくらいの頻度であるんだ」
「でも月に一回とかだよ、出ちゃうのは。出ようとするのは週3、4回あるけど、私たちも鍵何重にもしたりしてるからね」
翔「そうだったんだな…知らなかったわ…」
「誰にも話したことないもん。2人が初めてだよ」
バ、翔「「っ…」」
バ「何時に終わるんだ」
「12:00だよ」
翔「あと30分くらいか」
バ「送ってく」
「本当?ありがと」
2人はジュースを買って外のベンチに座って待つことにした。