第3章 転校生
流星の一言で喧嘩が始まり、あっという間に野次馬がたくさん来た。
正しくは喧嘩というより、ただ一方的に流星が怒っているだけであったが。
ぎゅうっ
立ち上がった蛍介と対等し、流星が構えを取り拳を握りしめると
「し、四宮くん…」
パシッ
流「!?」
四宮が構える流星の腕を握って止めた。
流「離せやコラァ!」
バシッ!シュッ!
流星は勢いよく四宮の手を振り払うと、すぐさま蛍介にパンチを繰り出した。
すると…
サッ
蛍介は流星のパンチを避けた。
そのことで野次馬は大いに盛り上がった。
「すごい…流星くんのパンチを交わした…」
その後も連続で繰り出されるパンチを蛍介は華麗に避けた。
しかし流星も弱くない。避けられないよう、流星がフェイントをかけ殴ろうとすると…
パシッ
今度は手で受け止めた。
しかし一向に蛍介は反撃しない。と思われたが次の瞬間
ドゴッ!!
蛍介が流星の鳩尾に強烈なパンチを喰らわせた。
流「ぐっ…ゴホッゴホッ…ゴホッ…」
そして、また盛り上がる野次馬に、ジロジロ見るな!と流星は怒った。
そしてその日はそれ以外何事もなく放課後になった。
「よし、課題終わり」
四「俺も」
「ありがとう、付き合ってくれて」
四「俺も終わらせられてよかった」
は課題が多い日は学校に残って終わらせてから帰るのだ。
そして四宮はいつからかそれに付き合うようになっていた。
四「今日もバイト?」
「うん」
四「頑張れ」
「うん、ありがと」
が帰る支度を終わらせ、四宮にじゃあねと挨拶をしようとすると
ガラッ
蛍「あ、ちゃん、帰るの?」
他の女子に捕まり、帰れなかった蛍介がやってきた。
「蛍介くん、うん、帰るよ」
蛍「今日もまっすぐバイト?」
「うん」
蛍「そうなんだ!じゃあ僕も一緒に行こ」
「うん、いいよ」
は四宮に挨拶をすると、2人は一緒に教室を出て行った。
四「…」
その様子を四宮は複雑な感情で見送った。