第3章 転校生
がコンビニを出て1人で家に帰っていると
?「よ」
誰かが話しかけてきたが、暗くてよく顔が見えなかったのではその声かけを無視した。
「…」
?「無視するなよ」
「…」
それでも、無視を続けると
?「なぁ」
グイッと肩を掴まれた。
「やめて…!あ…」
勢いよく振り返るとそこには見慣れた耳の大きな少年がいた。
遊とバスコ達が仲が良いため、自然ととバスコや翔瑠と仲良くなっていたのだ。
翔「悪りぃ、驚かせちまったか?」
「なんだ翔瑠か、驚いたかって、そりゃ驚くに決まってるでしょ」
翔「悪かったよ、なんでこんな時間に外出歩いてんだ?」
「バイト帰りなの、何も好きで、こんな時間に歩いてるんじゃないよ」
翔「そうか、お疲れ」
「ありがと。バスコは?」
は翔瑠の周りをキョロキョロと探した。
翔「あんま遅いと親が心配するかもしれないからって帰ったよ」
「なにそれ…バスコらしい理由、可愛いね」
は穏やかな笑みを浮かべた。
翔「っ…」
翔(なんでこいつはバイト終わりだってのにこんな笑顔を浮かべられるんだ?可愛いとか言われるバスコがちょっと羨ましいぜ…)
翔「…送ってくよ」
「やったー、ありがと」
翔「いつものところまででいいか?」
「うん」
いつものところというのは前に蛍介が送ってくれた坂を上り切ったところの事である。たまに会ったりするとバスコや翔瑠はいつもそこまでを送っていたのだった。
どうしてそこまでしか送らせてくれないのか、その理由を2人は深く聞いたりはしなかった。
それから2人はお互いの近況を話した。建築学科で起こった面白い話、勉強の話、そして転校生の話など。