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外見至上主義に抗いを

第3章 転校生


蛍「はい、これ」
蛍介が先程のコンビニの袋をガサガサしたと思ったら肉まんをに渡してきた。

「え?でもさっきお腹が空いたからって…」

蛍「さっきまではそうだったんだけど、なんか急に食欲失せちゃっ…」

グルルルルル

食欲が失せたと言おうとした瞬間蛍介のお腹が鳴り出した。

「あはは、じゃあ分かった。貸して」
は蛍介から肉まんを受け取ると、半分にした。

「はい、一緒に食べよ。ありがとう、蛍介くん」

蛍「あ、ありがとう…」
蛍(少し大きい方を僕にくれた…優しすぎる…)

「いただきます」

パクっ、モグモグ

「まだあったかい、美味しいね」
はニッコリ笑った。

蛍「…」

蛍介はが本当に天使のように見え、思わず見惚れてしまった。

「蛍介くん?」

蛍「あ、あぁ、喜んでもらえて良かったよ」
蛍(こんな人がこの世の中にいたんだ…まるで本当に天使…いや女神じゃないか…)

そんなことを思いながら蛍介も肉まんを口に運んだ。

「ありがとう、蛍介くん、お友達にもお礼を言っといて」

蛍「え、どうして…」

「だって、蛍介くんに迎えに行くよう言ってくれたの、お友達でしょ?1人で帰るって話したら、心配してくれてたから」

蛍「あ、あぁ…分かった、伝えておくよ」

「そういえばお友達の名前聞きそびれちゃったな、なんて言うの?」

蛍「僕と同じ、蛍介だよ」

「同じ名前なの、珍しいね」

蛍「漢字も名字も一緒なんだ」

「本当に?そんなことあるんだね」

蛍「あはは…ね、僕もびっくり…」

「歳は?」

蛍「歳も僕たちと同じだよ」

「あ、そうなの?てっきり年上かと思ってた。じゃあなんて呼ぼうかなぁ」

蛍「蛍介でいいよ」

「じゃあ蛍介くんと同じで蛍介くんで」

そんなことを話してると小高い分かれ道に来た。

「蛍介くんどっち?」

蛍「僕はこっちだよ」

そう言って蛍介が指さしたのはの行く道とは違う方だった。

「じゃあ私はこっちだからここまでで大丈夫だよ、ありがとう送ってくれて」
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