第12章 転校生2
また、明里は大企業の社長令嬢であった。
そして完璧な女性の姿で父親の打ち合わせに同行した帰りに、もこの様子を見に行った。
モコがワンワン鳴いているのでまたいじめられているのかと、急いで見ると、そこにはとチビ蛍介の姿があった。
明「モコ!!」
、蛍「「??」」
明「!?…こ、こんばんは…モコのお世話ですか?」
蛍「は、はい…」
(す、すごく美人…身につけてるものも高級感で溢れてる…)
は明里の姿に思わず見惚れてしまい、ぼーっとしてしまった。
明「こんな時間にどうしたんですか?そちらは…」
もちろん、明里はを知らない人として接する。
蛍「あ、こちらはバイトが一緒のちゃんです。って…ちゃん?おーい、ちゃん?」
「え!?あ、ご、ごめん…すごく綺麗な人だからつい…圭介くん知り合いなの?」
蛍「い、いや知り合いというか…コンビニによく来てくれるお客様なんだ」
「そうだったの?私全然知らない…」
蛍「なぜかちゃんがいない時が多かったからね」
「こんばんは。蛍介くんと同じく、あのコンビニでバイトしてるです。もしこれから会った時はよろしくお願いします」
はぺこりとお辞儀をした。
明「あ、う、うん…2人でお世話をしに?」
蛍「いえ、たまたま会ったんです」
明「そうだったんですね…あの、歳おいくつですか?」
蛍「え、16です…」
明「お友達は?」
「私も同じく16です」
明「あら、私もです」
蛍「え!?じゃあ同い年なんですね…てっきりお姉さんかと…」
明「やだ!そんなに老けてます?」
蛍「そ、そういう意味じゃなくて!」
それからしばらく、明里はチビ蛍介の話を興味津々に聞いていた。
明里はチビ蛍介が学校の蛍介であるということに気づいていない。
蛍介もまたそれは同様であった。
そして様子を見てすぐに分かった。
明里はチビ蛍介に好意を抱いている。
明「よければ、一緒に運動しませんか?」
しかし蛍介は自分を克服したいと、昼間のチビ明里と同じ理由をつけて断った。