第12章 転校生2
明「でも警戒心は強いけど、すっごくいい子なの。甘噛みしかしないし。だから手じゃなくてご飯食べなきゃ!」
「そんなガリガリじゃあ赤ちゃん無事に産めないよ?ちゃんと食べよ?」
蛍「そうだよ」
「…明里ちゃん、もし学校とかで困ったことがあったら
私になんでも相談して」
明「…」
蛍「僕にもなんでも言って。僕がなんとかするから」
明「ちゃんに、蛍介くんだっけ。助けてくれるのは嬉しいけど同情されたくないの。この子も1人で戦ってるでしょ?私だって1人で乗り越えられる。2人が思ってるみたいに私弱くないから。一度頼っちゃったら甘えっぱなしになっちゃうでしょ」
「でもこの子も、このまま私たちの手を取らずに独りよがりに生きるなら、数日後には死ぬわよ。」
明、蛍「「!!」」
が放った言葉は一見冷酷に聞こえるが、不思議とその声色に冷たさは感じなかった。
「今のこの世界で生きるなら、時には誰かと協力することだって必要よ。どんな人間も1人では生きられても、独りでは生きられないんだから」
明「…」
そしてこの日は3人ともここで解散した。
ジャアアアアッ
明里は家に帰るとシャワーを浴びて1人考えた。
明(結局目をつけられちゃった。目立たないように伊達メガネまで掛けてたのに。それにしてもあいつどういうつもり?いい人ぶって…全部あいつのせいよ。一体あんなやつを…なんで監視しなきゃならないんだか)
明里は蛍介のことを思い浮かべた。
しかしシャワー室から出てきたのはいつものチビ蛍介に似た明里ではなく、とんでもないスタイル、美貌を持った、完璧な女性の姿だった。
そう、明里は蛍介と同じように、二つの体があるのだ。
明(私はあんなやつよりもあの子の方が気になる…あんなことを言われたのは初めてだった…まるで鈍器で頭を殴られたような感覚だったわ…)
今度は明里はのことを思い浮かべていたのだった。