第12章 転校生2
「怖かったんだね…大丈夫、もういないよ」
は犬に手を差し出すと噛まれてしまった。
ガブっ!
「いっ…」
蛍「ちゃん!」
「ダメ蛍介くん、騒がないで…」
慌てる蛍介をは片手で制した。
蛍「でも…」
「騒げば余計に怯えちゃう。きっと何度もこんな目に遭ってきたんだと思う…優しい人かと思ったら意地悪されて、さっきみたいにいじめられて、信じてた飼い主に捨てられて…だから信じられないんだよ。人を。この子はすごく傷ついてるんだ…」
の頬に一筋の涙が伝った。
蛍「あ…」
蛍(ちゃん…滅多に泣かないのに…このわんちゃんのこと想って泣いてるんだ…本当どこまで優しい子なんだろう…)
明「…」
明(犬のために泣ける子なの…?いやそれともあいつのことが好きだから、優しい女子を演じてる…?)
「今日のところはもう帰ろう。また後でね」
蛍「そうだね」
はくるっと体の向きを変えた。
「あ、明里ちゃん」
蛍「あ…」
明(し、しまった…)
明「さん…もう帰ったかと思ってた」
「うん、早く帰りたかったんだけど、この子がいじめられてたから…明里ちゃんは今帰り?」
明「うん」
「なら一緒に帰らない?私たちと」
明「え…」
蛍「うん、一緒に帰ろうよ、せっかく3人とも近くに住んでるわけだし」
明「う、うん…分かった…」
こうしてこの日3人は一緒に帰ったのだった。
翌日、唯、、明里は先生に頼まれプリントを運んでいた。
すると流星がちょうど通りかかった。
唯「流星、重いよぉ、持って?」
流「悪い、俺、腕に悪魔封印してっから」
明「うぅっ…」
「明里ちゃん、大丈夫?少し持つ?」
明「さんも持ってるじゃない、大丈夫」
「そうだけど…」
男子生徒1「おいあれ見ろよ、ブタがプリント運んでやんの」
男子生徒2「爆笑。てかはやっぱ天使だよな。自分もプリント持ってんのにブタのも持つ?なんて。どう見てもブタの方が力持ちだろ」
男子生徒3「豚が全部持てっての」