第3章 転校生
「何それ安過ぎますよ」
店「えー?」
「だってこの辺の最低賃金は900円ですよ」
店「じゃあ900円だ。これ以上はあげられん」
チ蛍「ありがとうございます!」
店「明日から入って」
チ蛍「え、あ、はい」
店「ちゃん明日の出勤は?」
「6時から12時ですよ」
店「じゃあ君は9時から3時までね。ちゃんに色々教えてもらって」
チ蛍「あ、はい…」
店長はまた裏に行ってしまった。
「良かったですね!」
チ蛍「あの、ありがとう、昼間も今も…」
「昼間…?」
チ蛍「あ、いや、その、蛍介から見た目で採用不採用決めるのかって言ってくれたって聞いて…」
チ蛍(まずい!こっちの体で会ったのは初めてだった!ちゃん付で呼んだり、タメ口使ったり、相当怪しいよな…)
「あー、なるほど、いいんですよ、気にしないでください」
チ蛍「それに明日お仕事増やしてしまってすみません…」
「そんな、大丈夫です。それよりたった3時間しか私と被ってなくて大丈夫ですか?」
チ蛍「少し不安ですけど…」
「そうですよね…私もうまく教えられるよう頑張りますね。一緒に頑張りましょう」
チ蛍「ありがとうございます、本当に」
「どういたしまして、それじゃあ気をつけて帰ってくださいね」
チ蛍「今日1人で帰るんですか?」
「え?あ、はい…」
チ蛍「あ、すみません、初対面の人にいきなりそんなこと聞かれて気持ち悪いですよね」
「いや、そんなことないですよ!わざわざ気にかけてくれてありがとうございます」
チ蛍「いや、いいんです、蛍介に迎えに来させますか?送ってってあげ…くれると思いますよ」
「いや悪いですよ、蛍介くんも転校初日で疲れてるだろうし、休ませてあげてください」
チ蛍「でも…」
「大丈夫ですから、ね?」
の微笑みに蛍介は頬を赤くした。
チ蛍「わ、分かりました…」
「ではまた明日、よろしくお願いします」
チ蛍「よろしくお願いします」
蛍介はコンビニを後にした。