第3章 転校生
「店長、蛍介くん困ってますよ」
蛍「僕じゃなくて友達なんですけど…」
店「なぬ!?」
蛍「7時ごろ来るよう言いますので、面接していただけませんか?」
店「うむむ…」
「さっき店長、蛍介くんのときには合格って即出したんですからね、まさか見た目でそう言ったんじゃないですよね?」
店「わ、分かったよ…じゃあその時間にまた呼んでくれ」
店長は裏へと戻っていった。
「私まだその時間いるから、お友達によろしくね」
蛍「あ、うん、ありがとう」
「あ、いいのいいの、どうせ勤務10時までだし」
蛍「いや違くて、僕の友達を受けられるようにしてくれて、見た目で決めたのかって言ってくれて…」
「あー、別にそんな感謝されるようなことじゃないよ」
蛍「だけど…ありがとう、それじゃあまた」
「うん、また明日ね」
蛍「ちゃん、いい子だなぁ…でも僕の本当の姿見たらきっとまた変わるんだろうなぁ…はぁ…」
チリン
「いらっしゃいませ〜」
チ蛍「あ、アルバイトの面接に来たんですけど…」
「あ!蛍介くんのお友達ですか??」
チ蛍「あの…はい…」
「店長呼んできますね!」
しばらくすると店長がやってきたが、昼間とは明らかに態度が違かった。
店「君か?彼の友達というのは」
チ蛍「はい…」
店「残念だが断る。高校生は困るんだよ」
チ蛍「えっ!?でも友達にはすぐにでもって…しかもちゃんも高校生じゃ…」
「そうですよ店長、私も高校生だし、お兄ちゃんだって高校生ですよ」
店「君たちは特別だ。それに考えてみると高校生じゃタバコの銘柄も知らんだろう。覚えることがたくさんあり過ぎて…」
チ蛍「…メンソール、カラメル、シガー、エッセ、メルボロレッド、ジャンヒル…」
「す、すごい!店長、私より全然分かってます!」
店「う、うーむ…」
「店長」
店「分かった分かった、いいよ合格で。その代わり時給は800円だ」