第1章 プロローグ
「ホワイトメモリー……あぁ、あの二人組の!」
「あゆむ、知ってるの?」
「うんうん、結構有名だよー」
「そうなんだ……」
何も知らない状態から、一歩前進した。
「で、金髪の人の方なんだけど、名前分かる?」
ここまで来たら、あとはもう少しだ。
あの人の名前を知りたい……!
「要ユウキじゃないかな?」
要……ユウキ。
それが、あの女の人の名前。
綺麗な響きだなと思った。
心の中で名前を紡ぐとじんわりと染み渡るようで、慣れない感覚に少し戸惑う。
何これ、変なの……。
でも、悪い気はしなかった。