第1章 プロローグ
「あゆむ」
「はぁい」
「推し、出来たかも」
私の言葉を聞いたあゆむが、信じられないものを見る目で私を見てきた。
その気持ちも分かる。
私だって、自分が話を聞いて一日でこうなるなんて思わなかった。
運命的な出会いを果たした翌日。
一つの机を上手い事二人で使い、私はあゆむとお昼ご飯を食べていた。
「葉月ちゃんの推しかぁ。誰なの?ㅤ気になるぁ」
「えっと……それが、名前が分からなくて」
「そうなの?」
そう、名前が分からないのだ。
少しでも手掛かりを増やそうと、私は唸る。
「あっ!」
それが功を奏したのだろう。
画面の端っこに書いてあったグループ名を、何とか思い出す事が出来た。
「ホワイトメモリーだ!」