第1章 プロローグ
午後七時頃。
ご飯を食べ終わった私は、自分の部屋にいた。
脳裏にあゆむの言葉がよぎる。
『テレビを観てみたらどうかな?』
私は、取りあえずテレビをつけてみることにした。
チャンネルを回していく。
バラエティ、ニュース、……うーん、特に何もやってないな。
「……ん?」
運が悪くCMばかりが流れていた中、そのチャンネルはちゃんと観る事が出来た。
どうやら音楽番組なようで、画面の中で、二人の女の人が踊っている。
「わ──」
視線が、奪われた。
カメラが動く度に、その女の人を目で追ってしまう。
靡く金髪が輝いていて、綺麗な顔を引き立てている。
……かっこいい。美しい。
誰かに対してそんな事を思うなんて、初めてだった。
あの人は一体、どんな人なんだろう。