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推しの推しが私だった!?

第3章 要さんは多分推しにグイグイ行くタイプ


要ユウキさんは靴を脱ぎ、我が家の床に足をつける。
推しが私の家の廊下を歩いてるって何?ㅤ夢じゃなくて現実なんだよな……。

私が歩くその後ろを、要ユウキさんがついてくる。

行き先はリビングだ。

流石に玄関で立ち話をさせるわけにはいかないからね。

テーブルの上を軽く片付けて、コップやお皿を置けるスペースを作る。

「今お茶用意しますね」

「気を使ってくれなくてもいいんだが……」

遠慮がちに言う要ユウキさん。

「出させてください!ㅤちょうど飲みたい気分なので!」

ちょっと無理やりな気もするけれど、彼女を言いくるめようと私は懸命に言葉を紡ぐ。

「そういう事なら……お願いしようか」

まさか、いつ人が来てもいいように用意していた紅茶を使う日が来るとは思わなかった。結構いいやつなんだよねこれ。

要ユウキさんは急に来たから、何も用意出来なくても仕方ないのかもしれない。
しかし、例え同担たちが許してくれたとしても、私が自分の事を許せない!

ここで何も行動しなかったら、私は今後の人生を『推しに何もおもてなしをしなかった女』として生きていく事になってしまう。
ふとした時に今日の出来事を思い出して、己が所業を悔やむ事だろう。

さぁ、準備だ準備!
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