第3章 要さんは多分推しにグイグイ行くタイプ
だって、一ファンである私が推しである彼女を家にあげていいわけがなくない!?ㅤダメじゃないそれは!?
ああでも、要ユウキさんの体は、ちょうど扉に挟まる位置にある。
つまり、無理やり扉を閉めようとしたら、彼女が扉にぶつかってしまう事になるのだ。
これ、詰んでるのでは……?
家にあげるか、ぶつけるのを承知で無理やり引き剥がすか。
私には、その二択しかない。
──いや、そんなの。
実質一択しかなくないか……?
私のせいで怪我をさせるわけにはいかない。
家にあげることで無傷で済むのならば、そうするべきだろう。
ファンには、やらねばならない時がある……!
そう信じて私は、
「ど、どうぞ……散らかってますけど……!」
と言った。