第2章 顔が良すぎて前を見れない
「そうさ、このカフェでなんだ」
カフェ……カフェか。
確かにここには何度も来ている。
もしかしたら要ユウキさんも、よくここに来ているのかもしれない。
彼女にとってここのカフェが行きつけならば、偶然同じ時間に店にいる可能性も、まぁなくはないだろう。
でも、それでどうして『推す』事になるんだ?
……分からない。
私が推しであるならば、私は無関係じゃないんだし、これは聞いてもいいだろう。
「私が推しになるって……何で、なんですか?」
「あぁ……今でもはっきりと思い出せるよ」
私が聞くと、要ユウキさんはうっとりとした表情を浮かべた。
えっ何その顔可愛すぎる……。
そんな表情にさせたのが私っぽいという事実に、何とも言えない感情に襲われた。