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イケメン戦国 ✿••┈恋綴る月絵巻┈••✿

第2章 白と黒、灰と雨/中編(織田信長)




久しぶりに迦羅さんの顔を見に行く所だったけど
今しがた駆けて行った馬に乗っていたのは
あれは、迦羅さんだった?


いや、遠目ではあったけど
俺が迦羅さんを見間違う筈がない。

織田が東国と戦を始めるのは耳に入っているし
だからこそどうしているか気になったんだけど。


確か織田軍が出立してから日も経っている。
……何か不測の事態でも起こって
戦場に向かったんだろうか?

例えそうだとして
迦羅さんが戦場へ向かう程の事態って?

いや、ここはとりあえず一旦城へ行って
この事態を把握しておくとしよう。


















——安土城の天井裏を進むのも慣れたもの。

すると、とある部屋の上まで来た時
下から人の話す声が届いた。



「迦羅様は此処に居ないのか?」

「はい。お部屋に戻られましたが」

「いや、何処にも居ないのだ」

「そう言えば迦羅様が部屋に戻られた後
 久野様が訪ねて来られました。
 戻ったとお伝えしましたので
 久野様と一緒なのではないでしょうか?」

「…遅かったか」

「どうかされたのですか?」

「いや、邪魔をしたな」




そして襖を閉める音があり
男は出て行ったようだ。



…やはりあれは迦羅さんだったか。
一緒に馬に乗っていたのは久野と言う男。

遅かったと言うのは一体?

今の様子から察するに
連れ去られたと言うべきだろう。

良くない状況のようだから
戦の裏で何が起こっているのか
もう少し調べる必要がありそうだ。




とは言っても事情がわからない今
一旦戻って皆の力を借りることにしよう。


万が一にでも迦羅さんの身に何かあったら
悲しむのは安土の皆だけじゃないからね。







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