第1章 堕ちた先は快楽地獄【両面宿儺 虎杖悠仁】
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どこか遠くで二人の声が聞こえてくる。
どのくらいの間、意識を失っていたのだろう。
ふと目が覚めた時には、下腹辺りの感覚がほとんどなくなっており、胎の中に異物が収まっているという強い悦楽しか感じられなくなっていた。
目をゆっくりと開けると、目の前に宿儺の顔がある。
「ひあ……っ」
「目が覚めたか。ならば、もう少し愉しめそうだ」
そのまま、繋がったままの箇所から熱を感じる。粗相をしてしまった時のような解放感と、蟠りが交互に押し寄せた。その状況を理解した時には、下から突き上げられて「ああっ!」と甘く掠れた声を上げることしか出来なくなる。
「小僧、知っているか?女というものは、同時に男を受け入れられるらしいぞ」
「は……?それが、なんだよ」
「お前も使えば良い。特別に俺がそれを許そう」
やはり、二人の会話がここではない、どこか遠くから聞こえてくるような気がする。
自分は何もかも分からないまま宿儺の上に乗り、悦楽を求めるためだけに腰を振りたくっていた。すると、そのままどちらかの手によって丸い尻を掴み上げられ開かされる。
冷たい空気に曝された心細い未知なる洞口に、ぬちゅぬちゅりと自分から溢れ出した蜜を塗り込められた。ひんやりとした冷たい指先が、ありえない場所に浅く沈む感覚があった。