第1章 堕ちた先は快楽地獄【両面宿儺 虎杖悠仁】
「お願い、もう、見ないで……私が、コイツに酷いことをされても、いいから……悠仁には見られたくないの……お願い、分かってよ、悠仁……」
「分かるわけねえだろ!!」
冷たい水の中に沈んだ身体を宿儺に押さえつけられながらも、美代は必死に悠仁に懇願し続けた。
それでも悠仁が今にも泣きそうになりながら怒声を上げるから、反射的に勝手に涙が溢れ出してしまう。酷く扱われた身体が痛いわけでもないのに、何故か胸だけが無性に苦しくて呼吸さえままならない。
「好きな女が他の男に犯されてんの見て、黙ってられる男がいるかよ……!お前こそ、何も俺のこと分かってねえじゃん……!嫌だよ、俺は______」
悠仁が声を荒げた時、側から見ていた宿儺が堪えきれずにくつくつと笑った。それだけで、辺りの空気ごと水を打ったようにシンと静まり返る。
「どの道何も出来んというのに、喧しい小僧だ。そこで指を咥えて見ていろ。己の非力さを恨みながらな」
「やめろ、宿儺、宿儺……!くそ……っ!」
思えば、悠仁は舌先三寸で言いくるめようと必死だったように感じる。それはきっと、身体が追いついていないからだ。時間を少しでも稼ごうと、必死だったのだ。
けれど、宿儺が悠仁の身体の回復を待つはずもなく、彼は悠仁に見せつけるように白い足を押し開くと、自らの剛直をからからに乾いた蜜口に当て、一思いに貫こうとしてくる。