【ワートリ】SAOサバイバーは転生してボーダー隊員に
第2章 死んだはずの少女
出水side
トリガーの存在を知らないリンにあんな感じだ、太刀川さん達が戦っている方を指差すと物陰から辺りを見渡す。その仕草が可愛いなと見ていると気になる物が見えたのか質問して来た。
リン「この世界の人はあんなに動けるんですか?」
出水「いや、あれはトリオン体で……ってトリオンが分からねえか」
リン「トリオン?」
出水「あー、こんな感じのやつ?」
トリオンの説明をどうすれば良いか分からず、小さいトリオンキューブを作ってみる。本来はこの後に発射するのだが今は手の平でゆっくりとキューブが回っている。すると彼女は目をキラキラさせ始めた。
リン「わあ……綺麗‼︎」
出水「これはトリオンキューブ」
リン「トリオンキューブ……何だかキラキラしてて綺麗ですね!」
本当にトリオンを知らないようで興味津々のリン。するとリンも自分にもトリオンが使えるのかと聞いて来た。
出水「そりゃあ調べてみないと分からないな」
リン「調べる……」
迅「いたいた。出水、お疲れさん」
出水「え、迅さん⁈……太刀川さんに勝ったんすね」
リンと話している内に戦いは済んだようで、どうやら俺達は負けてしまったようだ。リンは迅さんの方を見てから俺を見て、誰なのかと首を傾げた。
迅「実力派エリートの迅悠一。君は?」
リン「えっと、神城リンです……」
迅「そっかリンちゃんね。目が覚めて良かったよ」
出水「リンが降ってきた時、受け止めたのは迅さんなんだぜ」
俺がそう話すと慌てた様子でお礼を言う。迅さんは気にしなくていいとニコニコしながら答えていた。
迅「出水と話してる所悪いんだけど……本部で話を聞かせてくれるかな?」
リン「本部?」
出水「あのでっかい建物」
あそこだ、とボーダー本部を指差す。リンは一瞬戸惑っていたが俺も着いていくと話すとゆっくりと頷いた。
迅「じゃあ、行きますか。お手をどうぞ、お嬢さん」
リン「?……って、え⁉︎」
出水「ちょっ、迅さん⁉︎」
迅「はい、それじゃあ行くぞー」
手を差し出した迅さんの手を取ったリンは、軽々と迅さんに持ち上げられてしまった。そこは俺の役目ではと思いつつ、俺達は本部へと戻るのだった。