【ワートリ】SAOサバイバーは転生してボーダー隊員に
第2章 死んだはずの少女
出水side
空から降ってきた少女を任された俺はとりあえず安全な場所へと運ぶ。折角、暴れられると思っていたが仕方ない。そう考えているとゆっくりと少女の目が開いた。
?「……あ、れ……」
出水「起きたか」
?「ここ、は?……私、死んで……」
出水「死んだ?いやいや生きてるよ、お前」
彼女の手を取り自分の頬に当てる。寒かったのだろうか頬に当てた手はひんやりと冷たかった。
?「……あ、あれ?……生きてるの?」
出水「……大丈夫か?」
?「えっ、嘘……ここって……」
出水「お前、空から降ってきたんだぞ」
俺の腕の中で困惑する彼女は頭や自分の体を触る。俺は先程あった出来事を話すと彼女は自分の事を語りだした。
?「信じて貰えないと思うんですか……私、さっきまでゲームをしてたんです」
出水「ゲーム?……ああ、それでその服か」
彼女の服はRPGに出て来そうな見た目をしていた。そして彼女は自分がいた世界の話をする。彼女の世界ではゲームの世界を全身で体感できるシステムが開発されておりリリース初日、とある人物によってゲームから現実へ戻れなくなってしまった。唯一の方法はゲームをクリアする事。だがゲームの途中でHPがゼロになると現実で死んでしまうという。そして彼女は仲間と共に攻略を進めていた。
?「その途中で私は……死んだはずでした」
出水「でも、今は生きてる」
?「……すみません、こんな話。信じて貰えませんよね」
彼女は自分がおかしな事を言っているのではと俯いてしまう。
出水「いや、俺は信じるよ」
?「え?」
出水「嘘を言ってるようには見えないしさ。……頑張ったんだよな、お前」
?「……うぅ……」
彼女の言葉を信じる事にした俺はそっと頭を撫でると安心したのか泣き出してしまった。
出水「おいおい泣くなよ……ってか、名前はなんて言うんだ?」
泣き始めた彼女をどうにか慰めようとした時、ふと名前を聞いていなかった事に気付いた。
?「……リン。神城リン、16歳です」
出水「リンか。俺は出水公平、年はリンの1つ上だな」
リン「出水さん……宜しくお願いします」
出水「おう」
やっと名前が分かり彼女も少し落ち着いたようだった。そんな時、突然ドーンと大きい音がして彼女は何事かと驚く。
出水「今、迅さん達と俺達で戦ってるんだ。ブラックトリガーをかけて」
リン「……トリガー?」