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*名探偵コナン* ILOVE… *諸伏景光*

第8章 *File.8*


「……」
「どうかしたのかい?」
「不思議だね」
「何がだ?」
「二人が並ぶと急に空気が変わったんだ。全く別物だったのが、一つになって…」
「なって?」
「それが当たり前みたいに、全然違和感がなくなったよ」
「そこまで感じ取ったか。さすがは工藤新一だな」
「そんなことはないよ」
「「……」」
「!!!?」
「アイツらも気づいてるぜ。諸伏もボウズのことは話に聞いて知ってるからな」
「…誰から?」
「そりゃ、俺達から」
「君は僕達の秘密を知ってしまったから、これで誰にもバラせなくなった」
「……雪乃さんの秘密は、まだ聞いてないよ」
「秘密があると、気付いたんだね」
「それだけは俺達が勝手に言える話じゃねえから、雪乃本人に直接聞いてくれ」
「それだけ、は?」
「それを知っているのは僕達四人、ウチの裏の管理官と怪盗の彼だけなんだよ」
「……四人?」
「もう一人は俺達と同期の、伊達って男だ」
「警視庁の、伊達刑事?」
「ああ。俺達が今此処にいるのは、雪乃がいるからこそ、だからな」
「コナン君が言うように、雪乃は出会った時から本当に不思議な女性だよ」
「にしても、油断大敵!もう二度と、簡単な誘導尋問に引っかかんなよ」
「……精進、します」
「いい心掛けだ」

松田の大きな掌が、気まずそうに視線を逸らしたコナン君の頭をポンと撫でた。
それはまるで、面倒見のいい兄が可愛い弟にするかのように。

「雪乃を泣かした男はどうだった?」
「……」
「イイ男だった、だろ?」
「…うん」
「だからもう、雪乃の心配は要らないよ」
「万が一の時は、俺達が動く」
「どうして、そこまで?」

コナン君の視線を感じた松田の視線も、彼へと向いた。
強い意志を持った、覚悟を決めた眼差しで。

「諸伏は俺達の大事な親友だし、雪乃は、俺の生命張って護るべき、たった一人のヒトだ」
「…松田刑事の生命を張って、でも?」
「ああ。パッと見は、ただの可愛い女、だけどな」

松田の瞳の色が、茶目気を含んだ物に変わる。


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