第18章 *File.18*
「覚悟しなよ」
「何故?」
「全ては雪乃、キミをアイシテル。ただ、それだけだよ」
真っ直ぐに視線を合わせて、唇が触れ合うほどの距離で囁く。
「⋯ズルいヒト」
「よく知ってる、だろう?」
「⋯ん」
眉を寄せ、少し困った表情になるのを見下ろしながら、返事を聞く前に唇を重ねた。
寝不足の気だるさも、自宅に帰った途端に気が抜けて、徹夜明けの鈍りかけた頭の回転速度も見事に全部吹き飛んだ。
もう、限界。
オレのココロも。
オレのカラダも。
今この瞬間から、キミのココロもカラダも抱き尽くすよ。
脳裏に刻む込むほど耳元であまい言葉をたくさん囁いて、イイトコロを解(ほぐ)して思い存分に攻め立てるから、
ココロもカラダもトロトロにふやけて溶けて気持ち良くなって、今はオレのことだけしか考えられなくなればいい。
キミの全てはオレのもの。
雪乃をオレの元へ連れて来た神様にも、キミの魂のひと欠片さえ渡しはしないよ。
ねえ、雪乃。
キミの想いもこれから先の長い人生も、
オレが抱き留めて護り愛し貫くから、堕ちておいで。
他の誰でもない。
オレの、この腕のナカに。
真っ直ぐに。
そして。
何も躊躇うことなく、迷うことなく、
今直ぐに。