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*名探偵コナン* ILOVE… *諸伏景光*

第4章 *File.4*(R18)


「ごめん。今まで気づけなくて」
「……」

雪乃は長い髪を揺らして、首を左右に振る。

「これからはオレが雪乃を護るから」
「ふふっ。出逢ったあの日からずっと、景光が言葉通りに私を護ってくれてたのも、誰よりも私を信じてくれてたのも知ってるよ」

涙で濡れた頬に触れる。
指先の涙の雫が、とても綺麗に耀いて見えた。
あの日の真夜中、寝ようとしていたオレの上に何の前触れも無しに突然舞い降りて来た雪乃が、初めてオレをその眼に映した時、
『景光だ』
と、眼を丸くして驚いた後、ふにゃりと幸せそうに微笑んだことは誰も知らない。
勿論、その後直ぐに意識を失うように深い眠りに陥った雪乃自身も。
ゼロも松田も、素性も得体も知れない雪乃とオレが一緒に暮らすのに猛反対した。
危険だと、何が起こるか分からないから追い出してしまえ!と、オレに何度も言い聞かせようとする二人の考え方は、そうすべきだ、当たり前だと返答もした。
それでも。

「雪乃がオレの名前を呼んでくれたから」

景光=ヒロ。と。
ゼロしか呼ばない、その呼び方で。
この世界に来て、誰よりも最初に。
たったそれだけの理由で?と、誰かに思われても。
例え雪乃、キミが覚えていなくても。
オレの心にしっかりと刻まれた、忘れてはいけない大切な記憶の一つだから。

「何時?」
「それは秘密」
「…その顔、反則」
「?」

サッと頬を染めて、顔を背けられた。

「カッコ可愛い」
「かっこ?カギ括弧?」
「違う!カッコイイの、カッコ!」
「あー、なるほど」

カッコイイと可愛いの造語か。
ん?褒められた?

「景光は鋭いのか鈍いのか、よく分かんない」
「?」
「自分がイケメンって自覚が、全くない」
「それはないなー。傍にいるのが、あの二人じゃあね」
「…確かに」

松田もゼロも、同じ男から見てもイケメンだろ?
中身はどうで、あれ?

「でも私は景光がいい。景光じゃなきゃヤダ!」

そこまで言ってから、ハッと我に返ったみたいに深刻な表情になる。

「…どういう、心境?」
「だってその続きが、景光は絶対誰にもあげない!だもん。こんなの、私はただの重くてヤな女じゃん」
「雪乃は…」

ムスッと自分に対して怒るけど、そんな可愛い独占欲はオレが喜ぶだけ。


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