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*名探偵コナン* ILOVE… *諸伏景光*

第4章 *File.4*(R18)


「こく、はく?」
「うん、立派な告白。オレは一生忘れないし、絶対に離さないから、覚悟しなよ」
「!」

視線をしっかり合わせて答えれば、途端にポンと頬が真っ赤になる。

「もう待たないし、遠慮もしない」
「あ、あの、どういう、こと?」
「こういうこと」

急にしどろもどろになる雪乃の身体をゆっくり離し、その手を後頭部に回して固定すると、再び唇を重ねた。

「!?」

さっきみたいに瞳が大きく見開かれるのを見つめながら、柔かで甘い唇を堪能する。

「…っ、はぁ」
「可愛い」

唇を僅かに離して笑うと、ムッとするのが分かる。

「も、離し、て」
「ダメ」

力が入らないくせに突っ張ろうとする腕さえ、封じ込める。

「逃がさないよ」

絶対に。
何があっても、何時の日か死に逝くまで。
雪乃、キミが降参しても離れたいと望んでも、オレはキミの隣で生きてみせる。

「…景光」
「雪乃、愛してる。これから先、何があったとしてもそれだけは信じて。必ず、雪乃の元へと帰るから」
「…ホントに?」
「雪乃はオレと出逢って愛し合うために、この世界に来た。間違いない」

たった今、確信したから。

「もう…」
「?」
「我慢しなくて、いい?」
「いいよ、我慢しなくて。オレが全部受け止めるから」
「っ」

オレの身体に腕を回すなり、ポロポロと涙を零した。
拒否されることはなくても触れるのは何時もオレからで、雪乃から触れてもらえたのは初めてだ。
それがとてつもなく、嬉しい。
この気持ちを受け入れてもらえているのだと、実感出来るから。

「…っく」

本来なら傍にいるはずの親も、二人姉妹の妹も友人の一人さえなく、頼りになるのは、信じられるのはたった一人、自分だけ。
この世界で、たった一人のイレギュラー。
オレ達三人の前では一度も弱音を吐くことも涙さえもみせること無く、何時も平気な顔をして誰にも悟られることなく常に気を張り詰めて、約1ヶ月間この世界で生きて来た。
その上、警察官と言うオレ達の職業もあって、つい最近までゼロと松田はあからさまに彼女の存在や言動自体を疑っていた。
でもそんな彼らの心境すらも、聡くて優しい雪乃は理解し、受け入れていた。
今考えれば、一人で弱音を吐く場所をも奪ってしまっていたんだな。


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