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*名探偵コナン* ILOVE… *諸伏景光*

第17章 *File.17*(R18)


「お、下ろしてっ」
「ダメ」

恥ずかしげにわたわたする雪乃の腹部に腕を回して、ガッチリと抱き留める。

「ひっ、景光っ」
「ほら、除夜の鐘。今年は色んなことがあったな」
「……そう、ね」
「こうして二人で新年を迎えられるのは、とても幸せだ」
「うん」

テレビから流れるのは生中継のリポーターの声と、もう何回目かは分からないけど、除夜の鐘の音。

「来年も再来年もこの先ずっと、こうして二人で新年を迎えられますように」
「約束よ」

仕事上、叶うかどうかは分からない。
それは雪乃も十分承知した上で、斜め後ろに身体を少し捻って、優しく笑う。
とても綺麗な表情で。

「ああ、約束する」
「うん」

コクリと頷いた雪乃に、キスをした。
カウントダウンが始まったテレビの音声は、それから直ぐに新年を迎えたことを告げた。



「ふふっ」
「…雪乃?」
「さっき景光が言ってた通り、幸せだなって」
「……」

ワザとタイミングをずらせて、互いに果てた後。
体重は全てかけてはいないけど、ようやく呼吸が整った雪乃に覆いかぶさったままの身体を動かして、視線を合わせる。

「景光と二人で年末年始を迎えて、身体を重ねて抱き締め合えることがね」
「オレもだよ」
「うん」

ふわりと微笑み、柔らかな手のひらで頬を包み込まれると、そっと触れるだけのキスをくれた。
幸せを与えられているのは、きっとオレの方だ。

「だから、今日は離さない」
「……えっ?」
「明日も休みだから、問題は無いだろう?」
「いやいやいや。問題大アリです」
「大丈夫」
「…何が?」
「キミへの愛は溢れて止まらないから、雪乃はただ受け止めてくれればいい」
「だから、それが問題だって言ってるのに!」
「嫌、なのか?」
「そうじゃなくて!アナタの底無し体力が一番の問題なんだって、何時も言ってるでしょ!」
「それはオレに言われてもね」
「セーブして!」
「無理かな?」
「はい?」

そこは迷わずにハッキリと言い切ったら、瞳が大きく見開かれた。


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