第16章 *File.16*【File.10 番外編】(R18)*
「!!」
「くっ」
生理的に流した涙で濡れた頬が真っ赤に染め上がったと同時に、更にナカが締まった。
「も、ムリ」
「まだまだ、だから」
「や、だ」
「オレだけの雪乃。誰にも渡さない」
「こ、んな状況で、言われて、も」
「嬉しくはない?」
「う、嬉しっやん!」
「そろそろ限界。動くよ」
「あっ、ひゃ、んッ」
細い腰を支えると、ゆっくりと下から突き上げる。
「…っ…くっ」
「そ、こっ、やっ…ンっ、あっ、ふっ…はぁ」
少し角度を変えると、律動に合わせて声が更に高くなる。
「分かった」
じゃあ、ココを一気に攻めることにするよ。
オレとキミが同時に果てるまで、ね。
「……」
「眉間にシワ寄ってる」
互いの呼吸も落ち着いた頃、伸びて来た指先がオレの眉間を撫でた。
「考えごと?」
「ずっと気にはなってけど、聞いたことがなかったから。雪乃の元カレのこと」
「…一人目は高校の同窓会で再会したクラスメイト。二人目は職場で知り合った二つ年下の人。一人目の彼とは何もすることなく、ホンの1ヶ月だけのお付き合いした。二人目が初めての相手」
「……」
アッサリと暴露された、雪乃の元カレ話。
「私の今カレのヒロミツくんは、ヤキモチですか?」
「雪乃は?」
「んー?ヤキモチと言うよりは、へー、そうなんだ?的な?」
「…何故?」
「だって、今の景光は私のだし!今更元カノぶられても、景光が私を選んでくれる限り、景光は誰にもあげないもん」
「…くっ、くくく」
なるほど、ね。
ホントに逞しいよ、キミは。
「どうして笑うの?」
「雪乃の逞しさについて、感心したり感動したり。かな?それに」
「?」
「可愛い独占欲も見せてもらえたし」
「私は景光が好きすぎて、景光を愛しすぎてどうしようもないの」
「…雪乃はオレにどうして欲しいんだ?」
「?」
唸るように問いかけても、返って来るのはキョトンとした表情。
「だから、そんなに可愛いこと言われたら、止まらなくなるだろう?」
「…何が止まらなっ!」
もう、言葉で説明するより実行に移した方が早そうだから、そのまま唇を塞いで手加減せずに抱くことにした。
そろそろ夜が明けそう、なんだけど。
気付いてないなら、その方がいいかな?
ねえ、雪乃?